第27話 義父からの贈り物2

博士

こんにちは、博士(ハクシ)ちゃんです。
当ブログをご訪問いただき、どうもありがとうございます。

かい

このブログでは、中卒の夫・カイと博士号を持つ妻・ハクシの日常をご紹介しています。

博士

学歴差があっても、とても楽しく暮らしていますよ!

かい

さて、前回のブログで結婚前の挨拶の後、僕に父から電話があり
↓↓↓↓↓↓↓↓↓

かい父

で、どっちの苗字にするのかは、そろそろ決まったの?

かい

・・・と、聞かれたことについて、途中までお話しました。
今回はその続きのお話です。

博士

ここまでの関連記事は、下記のリンクから読めます!

この記事の内容

カイさんの見解

カイさんのお父さんから、結婚にあたりどちらの姓を選択するのか?と聞かれたことを受けて、カイさんと私は話し合いました。

確かにお互いの仕事のことを考えたら、私達の家庭は私の姓を名乗る方が何かと便利です。
研究者が改姓すると、ものすごく面倒なことになります。
(※注: 実際にどんな面倒が発生するのかについては、文末におまけとして記載しました。)

もちろん会社員も姓を変えるとなると色々と手続きがありますし、仕事関係の方達にはいちいち説明しないといけません。
こういうのを避けるためにビジネスネームを使うことも可能ですが、それでもやっぱりところどころ面倒な事態は発生するでしょう。
給料の支払い口座や社保なんかは本名ですし、何かとややこしくなってしまうと思います。

とは言え研究職と会社員を比較すると、やっぱり『名前が変わること』に関しては、研究職の方が面倒臭くなるだけではなく、デメリットが大きいと思われます。

しかし、そんな風に私の仕事の都合だけで決めてしまって良いことなのか。

男兄弟がいないカイさんが【婿入り】することで(前回のブログに書いたように、正確には婿入りではないですが)、もしかすると今後、妹のエムちゃんに負担を掛けてしまう知れません。

それにカイさんのお父さんは先進的な人だけど、夫と私は多少古風なところがあるので、カイさんが私の姓になるなら結納や結婚式の費用負担はどうするか?などなど、そう云うことも含めて、改めて話し合わないといけませんでした。

カイさんは、当初こそは予想だにしていなかったお父さんからの提案にびっくりしていましたが、でも早い段階で

かい

僕は苗字が変わるのは、全然良いですよ。
なんだか、生まれ変わるみたいで良いかも。

そしてカイさんが私の姓になってしまうことで、将来エムちゃんに掛けてしまうかも知れない負担については、

かい

妹は、きっとそういうことには捉われず、うまくやって行くと思います。

と言っていました。

こんな感じで、カイさんは私の姓になることに早い段階から前向きでした。

ハクシ両親の見解

私の実家の家族にも相談しました。

家族も当然びっくりして、

「あちらは男の子1人なのに、婿に貰ったらお義父さんが可哀想なのではないか」

と言っていたので、私の研究業績のために、お義父さんが私の姓を選択することをカイさんに提案をしてくれたという旨を伝えました。


ちなみに私の両親は、私の研究活動(というか社会生活全般)について昔からまったく興味がありません。
「難しいことはよく分からない」と言って憚らず、別に理解しようともしないのですね。

とは云え私の学生時代は、学費、生活費、研究に必要なお金などはいつも出してくれていました。
大学院の修士課程の頃は、まだ研究費も獲得してなかったので結構研究にお金が必要でした。
それで研究で使うパソコンや文献代、国際学会に出る際の旅費などは自腹で払わないといけなかったのですが、両親に相談すると、

「なんだかよく分からないので、必要な金額を言え」

と言うので、いつも金額だけを伝えて必要なお金を貰っていました。

研究関連のことはよく分かっていませんでしたが(例えば、大学院とはどんなところで、何年行くのかとかもよく知らないようであった)、それ以外のことは普通の親らしくあれこれ心配したり、世話を焼いて貰ったり、一緒に出かけたりもして、それなりに仲良しだったので心配しないでね。
ネグレクトとかはされてないですよ。

世の中には親に進路を決められてしまったという人も結構いたり、親から「お金を出しているのだから言うことを聞け」と半ば脅迫のようなことを言われて育った人もいるそうなので、そういう家庭からしたら、私は気楽に生きて来たように思います。

ただ、親に自分の社会生活に全く興味を持ってもらえないことが、時に寂しくもありました。
「口は出さずにお金だけ出す」というのも、あまりにも徹底されると

「なんだかこの子供には興味がわかないから、せめてもの罪滅ぼしにお金だけ出しておこう」

と思っているような気がしてしまうのですよね。
完全に被害妄想なんだろうけども。

閑話休題。
そんなこんなで私の研究には全く興味のない両親は、いつものように研究業績の話が出た途端に、

「(よく分からないけど)それなら良いんじゃないの」

と納得(?)したようでした。


結論

こうして私達は婚姻して新たな戸籍を作るにあたり、私の姓を選択することにしました。

私は今まで自分の研究実績や研究者としての人生を、こんな風に誰かに考えてもらったことはありませんでした。

先に書いたように、自分の家族でさえ私の研究については「自分達には難しくて、何をしているのかさっぱり理解できないもの」として、あまり踏み込んで来ることはなかったので。

もしかすると自分でも、自分の研究実績についてここまで大切には考えていなかったかも知れません。

それがお義父さんからのご提案で、研究職として大切な『名前』を頂けることになったので、これから先何があっても世の役に立つ研究を続けて行こうと、改めて決意しました。

そして突然姓が変わることを快く決断してくれたカイさんにも、とても感謝しました。

※おまけ:研究者と改姓について

研究者は、言ってみれば『自分の名前』が資本です。

・論文や著書
・研究費の獲得履歴
・大学における担当講義

などの仕事の実績を、本当に自分がやったものだと証明するのに一番分かりやすいのが、『自分の名前』なのですね。

(これ以外にも、研究資金の獲得に利用される『研究者番号』という研究者のマイナンバーのようなものもあります。ただこれは申請しないと付与されないので、そもそも研究資金を獲得しない研究者の場合は持っていなかったりもします。)


とは言え研究者も、もちろん仕事において、いわゆる「ビジネスネーム」を名乗ることは可能です。
結婚して姓が変わった女性研究者の中には、旧姓をビジネスネームにしている方もたくさんいます。

でも、このビジネスネームを使用して仕事をするのは、微妙に手間が掛かります。
例えば学会発表に申し込みをする時に、ビジネスネームを使用していると「発表者氏名」と「参加料の振込者名」が違ってしまう。

だからことあるごとに「発表者名はビジネスネームで、振込者と同一人物ですよ」ということを伝える必要が出てくるのですね。
大学からのお給料や、シンポジウムなどでの講演料をいただく時も同様です。

ということで、もしも可能なら研究者は名前を変えない方が何かと便利なのです。

かい

へー、なるほど。
ということで、今回のブログは以上です!

博士

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました

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