第32話 ハクシ、発熱する

博士

こんにちは、博士(ハクシ)ちゃんです。
当ブログをご訪問いただき、どうもありがとうございます。

かい

こんにちは、ハクシの夫・カイです。
このブログでは、中卒の夫・カイと博士号を持つ妻・ハクシの日常をご紹介しています。

博士

学歴差があっても、とても楽しく暮らしていますよ!

さて、ここまで私たちが出会ってから結婚するに至るまでの経緯についてご紹介して来ました。
前回の記事で、ついに婚姻届を区役所に提出しましたが、今回はその直後のお話しです。

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この記事の内容

結婚記念のお食事

無事に婚姻届を提出して正式に結婚した私たちは、夜は記念にレストランで食事をすることにしました。
カイさんは作業服だったので一度家に帰って着替え、私も少しお洒落しました。

昼間はみぞれまじりだった雨も、夜には本格的に降り出していました。
冷たい雨の中、傘を差して近くのホテルのビュッフェレストランにいきました。

結婚もしたし、ビュッフェだし、2人とも大はしゃぎしていたのですが、食べ始めてものの数分で私に異変が生じたのです。

博士

む、何かおかしい

と思ったのも束の間、次の瞬間には頭がボーッとし始め、顔が熱くなって来ました。

博士

もしかして私、熱があるのでは、、、

と思ったのですが、何せ季節は真冬、そしてこの突然の発熱。
熱は熱でもインフルエンザの可能性が非常に高いような気がしました。
※注:当時は新型コロナウイルス感染症が流行する前でした

博士

カイさん、私インフルエンザかもしれない

かい

えー!大丈夫ですか、、、

博士

なんだか突然熱が上がって来たのだけど

博士

もしもインフルエンザだったら、ビュッフェはおろか公共空間にいること自体まずいから帰らなければ

かい

そうですね、仕方ないけど。
ちょっとこれだけ食べちゃいますね

そう言って、カイさんは持って来たばかりの皿の上のご馳走を一気喰いし始めました。

博士

うう、申し訳ない、、、


その間に私は、スマホで夜間でも受診できる病院を検索することに。
雨も降っていましたが、インフルエンザだとしたら電車に乗る訳にはいかないので、徒歩またはタクシーで行ける範囲で探しました。

とは言え時刻は夜7時半。
当然のように殆どの病院は既に閉まっているようでした。

博士

あー、今日はもう無理かもしれない。
そしたら明日の朝病院に行くことにして、今日はもう寝てようかな、、


と諦めつつあったその時、歩いて15分くらいの場所に、深夜まで開いているクリニックを発見しました。

博士

あ、一軒だけあった!
しかも何故か夜中までやっている!!

かい

本当だ!良かったですねぇ。
徒歩圏内だけど、雨も強いしハクシさん体調が悪いから、タクシーでいきましょう

そして雨の中大急ぎでレストランを出て、カイさんがすぐにタクシーを捕まえてくれました。

かい

すいません、ひとりインフルエンザかも知れないんですけど、乗せていただいても大丈夫でしょうか?

運転手さん「良いですよ」

ということで無事にタクシーに乗せていただきました。
その時は雨もだいぶ強まっていて、風まで吹いていて、かなり寒かったのを覚えています。
タクシーに乗せていただけて良かった、、、と思いました。

運転手さん「どこまで行きますか?」

かい

◯◯クリニックってところなんですけど、住所は中央区銀座8丁目××××

運転手さん「あー、はいはい、あの辺ね、、、」

運転手さんはそのクリニック近辺にはよく行くようで、かなり詳しく、近くまで行って曰く、

運転手さん「ここから先はもういくらでもないから、歩いた方が良いですよ。この先、道が狭いし路駐が多くて入りにくいんだよね」

博士

そうですか、ありがとうござました

こうして運転手さんにお礼を言ってタクシーを降り、目的のクリニックを探すことにしました。

夜のクリニック

こうして辿り着いたクリニックですが、行ってみて全て納得。
まずそこは銀座は銀座でも四丁目辺りの明るく高級感あふれる銀座ではなく、所謂「夜の銀座」でした。
道には運転手つきの高級車が並び、その車から降りて来たいかにも大物らしき男性を、きらびやかなホステス達がお出迎えしています。

こういう車がたくさん停まって大物が乗り降りするのを待っているので、まぁたしかに路駐が多いと言えば多いのかも知れない。
いわゆる路駐とは違うけれども。

そういう場所にあるクリニックなので、おそらく患者さんの殆どがホステスさん達なのでしょう、診察科は婦人科がメインで「内科はついでにやっているよ」といった風情でした。
内装もクリニックにしては高級感と重厚感があり、妙に落ち着いていて、、、行ったことないけど、多分銀座のクラブってこんな感じなのだろうと思いましたよ。
東京には色んなところがあるなぁ、と思いました。

待合室はそこそこ混雑していました。
まぁ、この時間やっている病院は少ないですしね。
患者さんの中には、ドレスを着て髪をセットしている人もいて、、、というか、むしろ私だけがボサッとした服装でしたね。

受付で渡された問診票に記入していると、ふと「未婚・既婚」という欄がありました。
うっかり「未婚」に丸をつけそうになりましたが、

博士

あ、わたしもう未婚じゃないんだ、、、


と、慌てて既婚をチェックしました。
結婚したことをはじめて意識したのが病院とは、なんとも言えない気分になりましたね。


で、肝心のインフルエンザについてですが、実はこの診察を待っている間に熱が下がっていったような気がしたのです。
元々熱しか症状がなかったので、それに伴ってだいぶ元気にもなっていて、最早普段の体調と全く変わりありません。
なんで自分が病院にいるのか、よく分からなくなりました。

とはいえ先ほどまで高熱が出ていて辛かったのは事実なので、念のため診察はしてもらうことに。
診察の順番が来て先生に症状を話すと、鼻の奥に綿棒を入れるインフルエンザの検査をしていただきました。
結果が出るのを待つ間に体温を計りましたが、案の定平熱でした。

医師「ハクシさん、結果出ましたけど、陰性でしたよ」

博士

は、そうですか、、、

医師「熱あった?」

博士

いえ、待っている間に下がったのか、平熱でした、、、

医師「とりあえずインフルエンザではないですね。なんで熱が出たのかは分からない。それよりもあなた、子宮癌の検診ちゃんと受けてる?」

博士

受けてません

医師「ちゃんと受けないとダメでしょ!大人の嗜みだよ!!それから子宮筋腫がドウノコウノ、卵巣ホルモンがドウノコウノドウノコウノ、、、」

博士

ひー、また熱が出そうなので、帰ります、、、
ありがとうございました、イソイソ

一応病み上がりなのに、普段の体調管理の怠慢をまとめて説教され始めたので急いで退散しました。
それにしても、場所、コンセプト、内装、お医者さんのキャラまで、なかなか面白いクリニックでした。

雪の帰り道

クリニックを出ると、雨は雪に変わっていました。
街ゆく人たちの足取りも、先ほどの雨の時とは打って変わって心なしかウキウキしているように見えました。

博士

わー、雪だ!!

かい

またタクシーで帰りましょうか?

博士

なんかもう全然病気っぽくなくなったから、歩きますわ

雪はぼてぼてっとした牡丹雪。
多分積もらずに、すぐに溶けてしまう水分の多い不格好な雪です。
東京の雪はいつもこんな感じですが、それでも雪が降ると非日常的な感じがして嬉しい。

カイさんと2人で傘をさし、銀座から家までの道を歩きながら、今日は色んなことがあったなぁと思いました。
婚姻届の提出、食事、インフルエンザ疑惑、そして銀座の病院、・・・。
結婚初日の夜に雪の中を2人で歩いたことを、きっとわたしは何十年後かに思い出すのだろうなと思いながら、家路を急ぎました。

・・・ところで、結局この日の発熱の原因は今もって不明のままです。
その後も特に何か病気になったりもしていないので、知恵熱みたいなものだったのか、体が結婚祝いに熱を出してくれたのか、なんなのか。
結婚記念のお食事のみを直撃し、その後はきれいに立ち去っていきました。

★★★おわり★★★

かい

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました

博士

また次の記事でお会いしましょう!

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